SYMPTOM 症状と治療

SYMPTOM
症状と治療

上顎前突症・出っ歯

 

 

 
 
上顎前突(出っ歯)とは上顎が前に出ている状態です。この症状の特徴は、上下の歯並び全体の位置関係が相対的に上顎が優位になっていて、前歯が外に反っているだけでなく奥歯の位置関係も上が前にズレています。
さらに凸凹の症状も合併していることがよくあり、上の前歯の見た目を気にして来院する方が多いのですが、実は今言った理由で噛み合わせにも異常があるため、このまま放置すると顎関節症という症状が出ることもあります。
 
大人の出っ歯には、実は3つのタイプがあります。
1つは上の前歯が大きく外側に反っているタイプです。これは典型的な出っ歯のタイプです。
 
2つ目は下の顎の骨が小さくて下の前歯が後ろに下がってしまい、相対的に出っ歯になっているタイプです。この2つは成長期の子供の場合は、まだ顎の骨の形や大きさが矯正治療で変えられるので、違う治療法を選択するのですが、大人の場合は顎の骨の大きさが変わらないので、歯の位置関係のみで修正することになります。
したがって仮に下の歯が後方に下がっているため出っ歯になっているとしても上の前歯を内側に入れることで、症状の改善を図ることになります。多くの場合歯の本数を調整することで、上の前歯を内側に入れる隙間を作ります。治療上の必要性から下顎の歯の本数も調整する場合があります。
 
3つ目のタイプは、上の顎の骨自体は大きいにもかかわらず、上の前歯は大きく内側に倒れているタイプの出っ歯です。このタイプはヨーロッパ、アメリカなど白人種によく見られるもので、日本人にはきわめて珍しい出っ歯です。
しかも上の歯が大きく内側に傾斜しているため、本人が出っ歯だという自覚がないのがふつうです。全く別の理由で、矯正歯科を受診した人が、出っ歯を指摘されてようやく気づくというのがほとんどです。
特徴としては、下顎が小さくしかも噛み合わせが深く噛んだときに前歯を見ると、下の前歯がほとんど見えない状態になっていることです。つまり過蓋咬合(かみあわせが深すぎる状態)と併発して起きていることが多い症例です。こういうケースはきわめて難しい治療になりますので、指導医クラスの専門医に相談されることをおすすめします。                             
 

問題の解決方法

■ ワイヤー矯正
基本的に前歯を後ろに下げたいわけですから、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通してゴムで固定し、ゴムの張力をかけつづけることで歯並びを変えて行きます(歯の裏側にとりつける場合もあります)。
歯に取りつけるブラケットの位置は実はかなり微妙な判断によって決められ、歯の動きを調整して行くのです。取りつけ位置を間違うととんでもない方向に歯が動くことになります。この点においても、矯正歯科専門医の方が経験の面で優れていると言えるでしょう。
また、症状の違いによって方法が変わってきますが、歯を抜くことで隙間を作ることがあります。                             

上顎前突症
出っ歯

上顎前突(出っ歯)とは上顎が前に出ている状態です。この症状の特徴は、上下の歯並び全体の位置関係が相対的に上顎が優位になっていて、前歯が外に反っているだけでなく奥歯の位置関係も上が前にズレています。
さらに凸凹の症状も合併していることがよくあり、上の前歯の見た目を気にして来院する方が多いのですが、実は今言った理由で噛み合わせにも異常があるため、このまま放置すると顎関節症という症状が出ることもあります。
 
大人の出っ歯には実は3つのタイプがあります。
1つは上の前歯が大きく外側に反っているタイプです。これは典型的な出っ歯のタイプです。
 
2つ目は下の顎の骨が小さくて下の前歯が後ろに下がってしまい、相対的に出っ歯になっているタイプです。この2つは成長期の子供の場合は、まだ顎の骨の形や大きさが矯正治療で変えられるので、違う治療法を選択するのですが、大人の場合は顎の骨の大きさが変わらないので、歯の位置関係のみで修正することになります。
したがって仮に下の歯が後方に下がっているため出っ歯になっているとしても上の前歯を内側に入れることで、症状の改善を図ることになります。多くの場合歯の本数を調整することで、上の前歯を内側に入れる隙間を作ります。治療上の必要性から下顎の歯の本数も調整する場合があります。
 
3つ目のタイプは、上の顎の骨自体は大きいにもかかわらず、上の前歯は大きく内側に倒れているタイプの出っ歯です。このタイプはヨーロッパ、アメリカなど白人種によく見られるもので、日本人にはきわめて珍しい出っ歯です。
しかも上の歯が大きく内側に傾斜しているため、本人が出っ歯だという自覚がないのがふつうです。全く別の理由で、矯正歯科を受診した人が、出っ歯を指摘されてようやく気づくというのがほとんどです。
特徴としては、下顎が小さくしかも噛み合わせが深く噛んだときに前歯を見ると、下の前歯がほとんど見えない状態になっていることです。つまり過蓋咬合(かみあわせが深すぎる状態)と併発して起きていることが多い症例です。こういうケースはきわめて難しい治療になりますので、指導医クラスの専門医に相談されることをおすすめします。                             
 

問題の解決方法

■ ワイヤー矯正
基本的に前歯を後ろに下げたいわけですから、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通してゴムで固定し、ゴムの張力をかけつづけることで歯並びを変えて行きます(歯の裏側にとりつける場合もあります)。
歯に取りつけるブラケットの位置は実はかなり微妙な判断によって決められ、歯の動きを調整して行くのです。取りつけ位置を間違うととんでもない方向に歯が動くことになります。この点においても、矯正歯科専門医の方が経験の面で優れていると言えるでしょう。
また、症状の違いによって方法が変わってきますが、歯を抜くことで隙間を作ることがあります。                             

治療例

患者様

20代 女性

主訴

出っ歯を治したい

症状

2級1類の上顎前突+軽度叢生

抜歯

上顎左右第一小臼歯+下顎左右第二小臼歯(4本)

装置

マルチブラケット装置、パラタルアーチ、ヘッドギヤ

治療期間

2年5ヶ月

「出っ歯を治したい」という主訴で来院したケースです。
診断の結果、「2級1類の上顎前突+軽度叢生」と判明しました。2級というのは、基本的に出っ歯の噛み合わせになっていることを言います。その中でも上の前歯が著しく外に反っているケースを、「1類」といいます。
初診時の横向きの写真を見ると、それがはっきり分かります。上の前歯に押されて唇も膨らんで、審美線をかなりオーバーしています(審美線とは、鼻の先端と顎の先端を結ぶ線のことで、この線よりも唇は内側にある方が良いとされています)。

このような症状の場合は、前歯を内側に入れるためにかなり大量の隙間を必要とします。通常は、上下左右の小臼歯を抜歯させていただくのが正解です。

 
治療後は歯の角度が正しくなっただけでなく、唇の審美性が大幅に改善しました。もちろん噛み合わせ的にも正しい状態が確立しています。

治療開始時

8ヶ月経過

26ヶ月経過

治療前

治療後

《取材協力》  矯正歯科:洗足スクエア歯科医院(東京都目黒区洗足)
《解説》    小澤 浩之 先生(日本矯正歯科学会専門医)

《取材協力》
矯正歯科:洗足スクエア歯科医院
(東京都目黒区洗足)
 
《解説》
小澤 浩之 先生(日本矯正歯科学会専門医)